祖母が教えてくれたこと

壁に絵を飾る習慣は、祖母から学んだことです。

季節折々の「旬」を暮らしのなかに装飾する楽しみは、毎日を豊かに過ごす祖母の知恵であったのかもしれません。

時には、庭に落ちる落ち葉を額縁に飾っただけのこともありましたが、自宅のなかにも秋の訪れがやってきたようで、私は祖母が壁に飾る装飾品の数々が大好きでした。友人から絵手紙が送られてくると、必ず玄関の靴箱の上の額におさめたものです。友人の便りには季節のイラストとともに必ず一言が加えられているのですが、どれもこれも相手をおもいやる言葉ばかりでした。

昨今の人々の言葉の中でなかなか絵手紙のような洒落の利いた言葉を目にする機会は多くはありません。あの当時に描かれた人々の言葉はいったいどこへ行ってしまったのでしょうか。少し寂しい気持ちになる時もあります。

祖母が教えてくれた事ではありますが、心にとめておきたい風景や言葉を壁に飾る習慣は、私の暮らしを本当に豊かなものとしてくれているような気がします。

Terrifles 想いを額縁に。⇢サイトトップへ