同じ画枠でもお国柄が反映

額縁の表現形式にもお国柄がでてくるものです。現代の見る額縁となる前の、まさに起源とも言われて3連祭壇画などで果たしている画枠は、一般的に2種類の役割を担っていたと言われています。一つがそに上辺にみられるような聖堂を思わせるような造りから連想される天上界であり、今一つがそれぞれに分割した絵を分けるというもの。この二つの役割にもドイツなどとイタリアではその扱いが異なるということ。ドイツなどでは、この二つが割合はっきり示されているのに対し、イタリアでは全体を重視した中での個々というとらえ方がされており、その分解点が明確にされていないため画枠の存在があまり意識されないという点。これは祭壇画という宗教的なとらえ方の違いという特殊性も関わっているのかもしれません